ホモジナイザーに使用されるシールの問題

ホモジナイザー(均質機)の特徴
「ホモジナイズ(均質化)」とは、溶解しない2つの液体を乳化させることです。「圧力バルブホモジナイゼーション」または「動的高圧ホモジナイゼーション」は、液体食品に適用されるプロセスで、容積式ポンプ(通常はプランジャー型ポンプ)と、バルブまたはノズルによって作られた1つまたは複数の流れの制限(ステージ)で構成される装置によって行われます。

シールはポンプのロッド往復部分に使用され、外径側が固定で、ロッドに対して動的にシールする往復動式のリニアシールになります。

代表的なシールの仕様

  • 圧力: 100-200 MPa
  • 摺動速度: max. 0.3m/s
  • 流体: 水・牛乳
  • 温度: max. 50°C
 

高い圧力がかかることで、一般的に以下の問題が起こる恐れがあります。

  • 過度な摩耗
  • はみだし破損
  • シール摩耗やシール破損による工程汚染
  • 特殊なハウジング構造(増し締め)の必要性
  • 低圧時の漏れ
  • 高頻度のシール製品交換

この問題を解決すべく、SKFはホモジナイザー用シールを開発しました。

   

 

食品産業 高圧機器(ホモジナイザー)向けシール H2R

構造的特徴
H2Rシールは、Vパッキンやグランドパッキンと異なり、摺動軸側に適切な接触力をもたらすエラストマー・エナジャイザー(Oリング) 2 が組込まれているため、このシールは軸方向からの増し締め圧縮を必要とせず、より複雑なデザインのハウジングにも容易に配置・装着することができます。

Vパッキンとアダプタが併用して使用されている場合、シールの形状は異なりますが、現状使用しているハウジングにそのまま適用することも可能です。

耐圧性
耐圧性の高い材料が適用されたバックアップリング 3 により、シールリング 1 のはみ出し破損を効果的に防止します。

摺動特性
最適化されたシールリング 1 のリップ形状と、適切な材料選択により、水溶性流体や加工食材でも、優れた摺動特性を発揮します。

特長

  • 摺動特性に優れた材料選定による良好な耐摩耗性
  • 高耐圧性材質と適切なシール設計により破損リスク低減
  • 耐摩耗性と耐圧性を高めることで工程汚染を最小限化
  • 多様なハウジング構造に対応可能
  • 弾性力を持たせたデザインにより低圧時でも優れた密封性
  • シール製品の耐久性向上とシンプルなハウジング構造の採用によりメンテナンス性を改善

実績
このシールは200 MPaまでの圧力、かつ0.3 m/sまでの速度に対応します。(圧力が低い場合は、より早い速度にも対応できることがありますので、ご相談下さい)*
*アプリケーションパラメータ(圧力、速度、温度、はみ出し隙間など)の最大値を長時間継続して、または同時に適用する場合は事前にご評価ください。