回転工具高速回転部に使用されるシールの問題

回転工具の特徴
回転工具とは、NC複合旋盤やターニングセンターなどの複合加工機に使用される、切削工具に回転する機構を設けたツールです。回転工具を使うことで、平面加工、穴開け、中ぐり、円筒削りなどの加工ができます。

一方で、高いトルクがかかるため、発熱により加工精度に影響したり、シール寿命による回転部の軸受早期損傷が問題となることがあります。


ゴム系Vリングを使用した場合、以下の機能上の問題・課題があります。

  • 高速回転時の防塵、防水能力が低い
  • 耐クーラント特性が低い
  • 耐摩耗性が低い
  • 高発熱による加工精度への悪影響
  • シール寿命が短い

シールの劣化・摩耗
ベアリングの破損

代表的なシールの仕様

  • 周速: 18~38 m/s
  • 圧力: 差圧無し (大気圧)
  • 密封対象: クーラント、切削粉
  • 温度: -10~50 °C
  • 軸径: Φ35 ~ Φ75
 

 

SKF回転工具シール

形状: R06-PZ * 回転軸側装着タイプ
SKF独自の高速アキシャルリップ形状
高速回転時でもリップの接触力を維持

回転軸側にシールが属しているので、回転数に合わせてリップが浮上し、接触力が低減

材質: ポリウレタンエラストマー S-ECOPUER
高い耐摩耗特性、耐クーラント特性に加え、自己潤滑特性も備えるS-ECOPUER

設計: 解析により最適リップ形状を提案
断面設計 → 解析 → 断面改良 → 解析 →

設計と解析を繰返し実施することで接触力を調整し、形状を最適化することができます。

 

メリット

  • 耐久性の向上
  • 各種クーラントへの耐性
  • 発熱温度の低減
  • メンテナンスサイクルの延長